「 飯能の街を歩く 」ESDの視点から
自由の森日記、今回はESD( 持続可能な開発のための教育 )プロジェクト部長で
中1担任の松元がお送りします。
今年度の中1の総合学習「 森の時間 」は、1年間を通して飯能を歩きまわり、
飯能を色々な角度から知ることで、そこに隠された「 持続可能性 」を発見し、
それぞれのテーマの関連に気付くことを目標としています。
今回は「 飯能の街を歩く 」
地図を片手に飯能の街に残る明治・大正期の建物を探すウォークラリーです。
「 材木屋 」「 材木商 」「 呉服屋 」「 繭の買い取り問屋 」など
林業・養蚕・織物に関係する建物がいくつも見つかりました。
11/29当日は、びっくりするほどの快晴。絶好のウォーキング日和!
各クラスが3チームに分かれて総勢9チームで飯能の街に繰り出しました。
大正時代の建物を利用したうどん屋さん「 古久や 」 |
この建物も大正時代の物「 旧・佐野医院 」 |
これは珍しい! 大正時代のモルタル製の旅館「 新川長 」 |
この「 畑屋 」はなんと明治時代の建物! |
現在はうなぎやですが、昔は芸者さんとお酒を飲むところ…。
うなぎ屋の「 畑屋 」もそうですが、古い立派な建物や蔵をもつ建物は、
飯能駅や東飯能駅周辺ではなく、飯能河原を中心に広がっています。
これは飯能河原がその昔、林業の職人が木材を筏にして
江戸に送るための駅としての役目をしていたことの証拠でもあります。
江戸で材木を売ってきた職人は、飯能まで帰ってくると、
稼いだお金を飯能河原周辺の飲食店でほとんど使ってしまったそうです。
また、江戸から繭を買いに来る商人で旅館や飲食店がにぎわったそうです。
飯能市立図書館には、夏休み前の「 森の時間 」の授業で話しをしてくださった
吾野の林業家井上さんの山の木が柱として使われています。
飯能の名物と言えば「 四里餅 」 途中のチェックポイントで食べられます。
あれ? しりもちって「 尻餅 」じゃなくて「 四里餅 」って書くんだ?
実はこの名前も「 林業 」と関係があります…。
最後のチェックポイントは飯能一丁目の集会所、
ここに飯能銀座通りの老舗のおそば屋さん「 長寿庵 」さんから
うどんを出前してもらいました。
お米の獲れにくかった飯能では、昔からうどんが名物でした。
長寿庵のうどんは、なんと飯能産の小麦でつくられています。
国産小麦のうどんだって滅多にありませんよね!
そして、てんぷらや付け合わせの野菜のすべて飯能産!
しかも「 野口のタネ 」という固定種専門のタネ屋さんの野菜を使っています。
「 野口のタネ 」は学校のおすぐ近くにあります。
飯能で林業と養蚕の両方が栄えたのには、林業農家が副業として養蚕を両立させた
「 職業としての持続可能性 」があります。
今回のフィールドワークには古い建物が現代の街にどう共存するか?という
「 街の持続可能性 」もテーマとして見えてきます。
長寿庵のうどんを食べることで「 地産地消 」という
「 食材の持続可能性 」にも出会えました。
飯能は「 持続可能性 」を学ぶ宝庫だとつくづく思いました。
ESDプロジェクト部長としては、今後も地元飯能を活かした総合学習が
もっとできないか探求していこうと思っています。
松元